胸郭出口症候群とは?肘や腕の痛み・しびれを引き起こす姿勢と呼吸の関係
肘や腕が急に痛む、しびれる——。
そんな症状が出ると、多くの方は「肘や腕に原因がある」と考えます。
しかし、実際はもっと上部(首〜胸のあたり)で神経が圧迫されているケースが少なくありません。

この代表的な疾患のひとつが「胸郭出口症候群(Thoracic Outlet Syndrome)」です。
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上流に原因がある:神経圧迫のメカニズム

川で例えるなら、下流でトラブルが起きるときは、上流で何かが起きていることが多いように、
腕の痛みやしびれも“上流”である首や胸郭付近で神経が障害されていることが多いです。
神経の通り道を順に見ていくと、
• 首の脊髄から出て(頚椎ヘルニアや頚椎症の影響を受けやすい)
• 鎖骨や肋骨の隙間を通り
• 腕へと走行します。
この途中の「胸郭出口」で神経が圧迫されると、肘や腕に痛み・しびれ・筋力低下が生じます。
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胸郭出口症候群の主な原因
胸郭出口症候群は、神経や血管が鎖骨周辺で圧迫されることで起こります。
圧迫の原因となるのは以下のような要素です。
• 姿勢の崩れ(ストレートネック・猫背・反り腰)
• 筋緊張のアンバランス(斜角筋・小胸筋・僧帽筋上部の過緊張)
• 鎖骨や肋骨の位置異常
• 呼吸パターンの乱れ(胸式・肩呼吸)
これらの状態では、神経や血管が通るスペースが狭くなり、腕への神経伝達が妨げられます。
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姿勢だけでなく「呼吸」も関係している
胸郭出口症候群は単に姿勢の問題ではなく、呼吸パターンにも深く関係しています。
肩が上がる、首が緊張する、腰が反るような呼吸(胸式呼吸)は、
胸郭を過度に持ち上げ、神経を通る隙間を狭めてしまいます。
改善の第一歩は「静かで、お腹が膨らむ呼吸」です。
音を立てず、肩を上げずに、お腹全体に空気が入るように意識しましょう。
これだけでも首〜肩の緊張が緩み、圧迫が軽減される方が多いです。
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背中の筋肉(僧帽筋下部)を使えるかがポイント
姿勢を整える上で鍵になるのが、僧帽筋下部の活性化です。
女性で言うと、ブラジャーのフックあたりの筋肉です。
ここに力が入らないままでは、背中が丸くなり、肩が前に出たままになります。
その結果、胸郭出口のスペースが狭くなり、神経が圧迫されやすくなります。
僧帽筋下部を使う感覚をつかむ方法
1. 胸を「天井にいる人に見せるように」軽く上げる。
2. その時、腰ではなく背中(肩甲骨の下)に力を感じること。
3. 腰が反る人は、
- お腹に横シワを作る
- お尻に軽く力を入れる
- 肩を落とす
これらを意識して行うと正しい支点になります。
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セルフチェック:軽減するなら胸郭出口症候群の可能性大
呼吸と僧帽筋下部の意識を変えたあとに、
肘・腕の痛みやしびれが軽くなっている場合は、胸郭出口症候群の可能性が高いです。
放置すると慢性化や筋力低下につながることもあるため、
早めに姿勢・呼吸・肩甲帯の連動を改善していくことが重要です。
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まとめ
• 肘や腕の痛み・しびれの原因が首や胸郭にある場合がある
• 胸郭出口症候群は神経の圧迫によって起こる
• 姿勢と呼吸の改善が最初のステップ
• 僧帽筋下部の活性化が鍵



