首・肩の緊張が抜けないのは「目」が原因かもしれない
目のピントが合いにくい、夕方になると見えづらい、首や肩の緊張がなかなか抜けない。
こうした症状があると、多くの方は「目の疲れ」と「首・肩こり」は別々の問題だと考えがちです。

そしてさらに、
「仮性近視や遠視といった“目の状態”が、姿勢や呼吸、さらには身体全体の緊張にまで影響している」
とは、ほとんどの人が想像していないのではないでしょうか。
しかし実際には、仮性近視や遠視があることで、目の筋肉は無意識のうちに常に働き続ける状態になります。その緊張は目だけにとどまらず、首や肩、さらには身体全体へと波及し、「緊張が抜けない状態」をつくり出してしまうことも少なくありません。
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視力の問題は「毛様体筋だけ」が原因ではない

一般的に仮性近視は「毛様体筋が緊張して、ピントが遠くに戻らなくなる状態」と説明されます。
しかし実際の現場では、毛様体筋だけが原因となって仮性近視が起こっているケースは多くありません。
その背景には、目の外側についている筋肉(外眼筋)の慢性的な緊張が深く関与しています。
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上斜筋・下斜筋の緊張は「角膜を圧迫」する
特に関係が深いのが、上斜筋・下斜筋といった斜筋群です。
これらの筋肉は眼球の回旋や微調整を担っていますが、その走行の構造上、
緊張すると、眼球を“ねじる”というよりも、角膜に対して持続的な“圧迫”を加える作用が強くなります。

この圧迫が続くと、
• 角膜のカーブに微細な変化が生じる
• 光の屈折が前方にズレる
• 本来よりも焦点が前に結びやすくなる
という状態が起こり、実際には近視でなくても「近視のような見え方」になることがあります。
これが、外眼筋の緊張によって起こる仮性近視の本質的なメカニズムです。
つまり仮性近視とは、
「眼球の長さが伸びたわけではないのに、外眼筋の緊張で“焦点が前に寄せられてしまっている状態」
とも言えます。
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なぜ外眼筋は緊張し続けてしまうのか

現代人に多いのが、
• スマホやパソコンを長時間見る
• 近距離を見続ける生活
• 無意識で目を凝らす習慣
といった状態です。
このとき目は、「常にピントを合わせ続けるモード」になり、外眼筋、とくに斜筋群が休めなくなります。
この状態が続くことで、
• 角膜への圧迫が慢性化
• 焦点が前に寄った状態が固定
• 近視のような見え方が定着
という流れが生まれ、仮性近視へと移行していきます。
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外眼筋の緊張は、首・肩・自律神経にそのまま影響する

上斜筋・下斜筋は、後頭部の筋肉や上部頸椎、さらに自律神経とも神経的につながっています。
そのため、斜筋群の緊張は目だけに留まらず、首や肩の緊張としてそのまま現れやすくなります。
• 首の付け根が常にこっている
• 肩の力が抜けない
• 頭が重い、集中できない
• 疲れが抜けにくい
といった症状は、単なる姿勢の問題ではなく、
目の緊張が自律神経を介して全身に影響しているサインとも考えられます。
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遠視の人も「焦点を前に寄せ続けている」

遠視は「遠くがよく見える目」と思われがちですが、実際には遠くを見るときでさえ、無意識にピント調節と眼球の微調整を行っています。
つまり遠視の人も、常に外眼筋と毛様体筋を使って焦点を前に寄せ続けている状態です。
その結果として、
• 外眼筋の緊張が抜けない
• 角膜への圧迫が続く
• 首や肩の緊張も抜けない
• 呼吸が浅くなりやすい
という流れが生まれ、「実は目が原因だった首・肩こり」が慢性化していきます。
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目の緊張が、結果として姿勢や呼吸にまで影響する

外眼筋の緊張が続くと、自律神経は交感神経優位に傾きやすくなります。
すると体は無意識に「力が抜けにくい状態」となり、
• 胸郭の動きが小さくなる
• 呼吸が浅くなる
• リラックスしづらくなる
といった反応が起こります。
つまり、
姿勢や呼吸が先に悪くなっているのではなく、仮性近視や遠視といった“目の問題”がきっかけとなって、結果的に身体の緊張や呼吸、自律神経の働きにまで影響が広がっているケースも非常に多いのです。
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視力の問題は「全身の緊張の出発点」になることがある
仮性近視や遠視は、
「見えにくい」「目が疲れる」だけの問題ではなく、
• 首・肩の緊張
• 姿勢の硬さ
• 呼吸の浅さ
• 自律神経の偏り

といった全身の不調の出発点になっていることも少なくありません。
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まとめ
仮性近視や遠視があると、
外眼筋の緊張によって角膜が圧迫され、焦点が前に寄り、近視のような状態が作られます。
その外眼筋の緊張は、首・肩・自律神経にまで影響し、
「身体の緊張が抜けない状態」をつくり出します。
そしてその結果として、
姿勢が硬くなり、呼吸が浅くなり、自律神経のバランスも偏りやすくなっていきます。
目の不調は、決して「目だけの問題」ではありません。
首・肩・姿勢・呼吸・自律神経まで含めた“全身の反応”として捉えることが、根本改善への第一歩になります。



