速く走りたいなら「腕を振るな」!勝手に振られる“理想の腕振り”の作り方
多くの選手が「腕をしっかり振れ」と言われて育ちます。
でも実は——速い選手ほど“腕を振っていない” のをご存知ですか?
今日は、走りを変える鍵となる「腕振りの本質」と、感覚的に身につくトレーニング方法を紹介します。
⸻
■腕振りは“意識して振る”ものじゃない
「腕を振る」は結果であって、目的ではありません。
理想は——
👉 身体全体の動きに合わせて、腕が“勝手に振られる”状態。
これは、地面を押した力が体幹を通して上半身へ伝わり、自然と腕が振られる流れのこと。
無理に振ろうとすれば力み、リズムも崩れます。
逆に、この“連動”ができると、力がスムーズに前へ伝わりストライドも伸びます。
⸻
■腕振りの感覚をつかむ「インフィニティ動作」

まず、両手を胸の前に置いてください。
そこから胸を中心に ∞(インフィニティ)を描くように動かします。
このとき、前後・上下に大きく動かすのがポイント。
イメージは水泳のクロール。
ただし、走りではクロールと逆方向になります。
クロールは「上から前」ですが、走りは「下から前に持ち上げる」ように動かします。

この動きを繰り返すことで、肩・胸郭・背中がスムーズにつながり、
“腕が勝手に振られる”感覚が自然と身についてきます。
⸻
■自然な腕振りへ発展させる
インフィニティ動作に慣れたら、次は手を下ろした状態で同じ動きをしてみましょう。
そうすると、腕が自然と適切な位置に収まり、上半身の連動が強化されます。
速い選手ほど、実はこの「上半身の連動」が抜群に上手です。
腕を“振っているように見えない”のに、力強く前へ進めるのはそのためです。
⸻
■感覚が掴みにくい子には…
「前の手が口や鼻の前」「後ろの手が地面を向く」姿勢を作り、
そこから左右を入れ替える動きをゆっくり繰り返しましょう。
また、前に振りすぎる子には
👉「太鼓を叩くようなイメージ」
と伝えると、自然に上下の連動が出やすくなります。

⸻
■まとめ:腕振りは“身体の流れ”で決まる
腕を意識的に動かすより、
胸や体幹から動きを作る方が、結果的に速く・しなやかに走れます。
ポイントは3つ👇
• 腕振りは“結果”であり、意識して振らない
• インフィニティ動作で上半身のしなやかさを出す
• 太鼓を叩く・口の前で入れ替える動作でリズムを作る
これを練習に取り入れると、走りのリズムとスピードが確実に変わります。
「腕をどう振るか」ではなく、「身体がどうつながるか」を意識してみてください。



